河出書房新社版 エンチュクロペディー 八十七節冒頭部分 |
この世代の方々は、60年安保闘争をまのあたりにした方々、またはアンガージュマンした方々、あるいは70年大阪万博の狂乱のさなか日米安保条約が自動延長されたその時代を生きておられた方々、その翌々年の72年、軽井沢は浅間山山荘での連合赤軍事件と時空を共にした方々、その後第4インターナショナルにまで四分五裂した学生運動、さらには民族運動末期の不穏のただなかにおられた方々、などである。
わたし自身は、後者の初代に属していた。復員兵が機縁となった団塊世代の直後にもあたる。
しかし同時に、ドイツ観念論の終焉ヘーゲルの著作自体をまじめに読んでいた人も、今思い返せばほとんどいなかったようにも記憶している。
その事情は、しごく簡単である。